じゃがいもの芽には 毒があるという話は有名ですよね。
一昔前は、食べたことで中毒を起こしたというニュースも多かったような気がします。
ただ、どんな毒が含まれ、食べてしまうとどんな症状が出るのかを知っている人は少ないようです。
芽が生えてしまったじゃがいもは、捨ててしまったほうがいいのでしょうか。
それとも、うまく取り除くことはできるのでしょうか。
では、じゃがいもの毒の正体や毒性の強さ、致死量などを改めて見ていきましょう!
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目次
じゃがいもの芽の毒の正体は?
じゃがいもの芽に含まれている毒の正体は、 「ソラニン」というステロイドアルカロイドです。
「ステロイドアルカロイド配糖体ソラニン」が正式名称になります。
「ステロイドアルカロイド」は、ステロイド骨格を有し、窒素源がアンモニアに由来します。
少し難しいですが、一般には「ソラニン」で通用します。
さらに「チャコニン」という物質も含まれており、こちらもソラニンと同じような害があります。
じゃがいもの芽の毒性の強さ・致死量は?
ソラニンもチャコニンも 毒性は強いです。
致死量の目安は「体重1kgあたり200mg」といわれています。
体重が50kgの人だと10gになりますね。
じゃがいもの芽100gあたりにはソラニンが500mg含まれています。
計算上2400g分のじゃがいもの芽を食べることはあまり考えられませんが、記憶の隅に留めておいて下さい。
死に至らなくても 中毒症状が現れるのが、ソラニンを200mg~400mgほどを摂取した場合です。
特に気を付けなければならないのが、体が小さい子どもになります。
体重が軽いわけですから、大人より少ない量で死亡したり中毒になったりする危険性があります。
たまに、学校での集団食中毒の原因が、菜園で収穫した未熟なじゃがいもだったという話も聞きます。
子どもが中毒を起こす基準は、20mg~40mgくらいです。
大人の10分の1の基準になりますから、担任の先生は大丈夫でも子どもたちには危険というわけです。
強烈な致死量を誇る毒性の強さはありませんが、十分警戒するに値する存在です。
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じゃがいもの芽の毒を食べるとどんな症状が出る?
じゃがいもの芽をきちんと取らずに食べると、ソラニンやチャコニンといった毒が体内に取り込まれてしまいます。
すると、7~19時間ほど経って 一過性の頭痛、嘔吐、下痢などの症状が現れます。
その程度なら「何か悪いものに当たったかな?」ということで済みますが、それ以上症状が進むと大変なことになります。
疲労感、傾眠が現れ、重篤な場合は錯乱、脳圧亢進、呼吸困難、呼吸停止、頻脈、腎不全を来します。
ソラニンやチャコニンは神経に働きかけ、溶結作用を引き起こす怖い毒です。
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じゃがいもの芽の毒の取り除き方は?
お店にある時点で芽が出ていたり、 緑色になっていたりする場合は、たとえ安くなっていても購入は避けるべきです。
また、サイズの小さい未熟なじゃがいもを食べないようにして下さい。
新じゃがを皮ごと素揚げで食べるのも美味しいですが、毒素は皮の部分に多いので大量に食べることは避けましょう。
家で保存しているうちに芽が出てしまったり、緑色になってきてしまったりした場合には、芽の部分は完全に取り除き、緑色の部分は皮を厚めに剥きます。
ピーラーにじゃがいもの芽をえぐる部分がついているものがありますが、それを使って深くえぐり取るようにして下さい。
ピーラーがない場合は、包丁をうまく使って取り除きましょう。
火を通してもソラニンやチャコニンは分解しませんので、取り除く以外に毒素を減らすことはできないと覚えておいてくださいね。
じゃがいもの芽の毒は怖いですが、完全に取ってしまえば心配はありません。
ポピュラーな野菜ですし、様々な調理法で美味しく食べることができますので、気を付けつつも上手に活用して下さいね。
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