手や足の甲や指、手首や足首などにも、軟骨をもう少し軟らかくしたような 瘤(こぶ)ができたことはありませんか?
痛みや痒みなどもなくそのうち消えてしまったりしますが、何度も繰り返しできると何か悪い病気になったのではないかと心配になりますね。
そんな時に病院で診てもらうと「ガングリオンですね」といわれることがあります。
初めて耳にする人も多いでしょうし、主な原因や症状についてもピンと来ないことがあるようです。
そこで・・・ガングリオンとはどんな物質なのか、主な原因や気になる症状、体の好発部位などについてご説明します!
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目次
ガングリオンとは?主な原因は?
ガングリオンとは、中にゼリー状の物質が入っている 腫瘤のことです。
関節の周囲にできたものは、関節液が小さな穴から漏れて「そこに繋がる袋状の組織に粘液などが溜まったもの」といわれています。
明らかに「中身はゼリーっぽい物だな」とわかる軟らかいものから、「軟骨が飛び出してきたのでは?」と思ってしまうような硬さのものまであります。
大きさについても、米粒大のものからピンポン玉くらいの大きさのものまでまちまちのようです。
ガングリオンができる原因は、実はまだはっきりと解明されているわけではありません。
ただし、良性である場合がほとんどで、生死に関わるような健康への著しい悪影響も少ないと考えられています。
何らかの理由で関節や腱の動きをよくするための潤滑油となっている「滑液」を作り出す細胞に異常が生じ、 粘液を作るようになってしまいます。
その粘液が袋状の組織に溜ってしまうという説が主流になっています。
また、体に異常を感じる原因は、ストレス、血流障害、関節の動かし過ぎ、外部からの衝撃などが挙げられていますが、どの説もあまり説得力はありません。
確かに、手の甲や指などにガングリオンができてしまうと、手の使い過ぎなどで大きくなってしまうこともあります。
しかし、ガングリオンにも好発部位が存在し、手をよく使う人だけができやすいといったことはありません。
年齢からみると、20歳~50歳くらいでの発症が多く、男性より女性のほうが多くなっています。
ガングリオンの症状とは?痛みやしびれがメイン?
ほとんどの場合、 ガングリオン自体に痛みを感じることはありません。
ただし、神経のそばにできた場合には、圧迫されて痛みを感じたり、しびれたりする症状が出ることがあります。
指の関節にできた場合は、朝起きたばかりの頃に指が動かしにくく感じたり、力が入りにくくなったりします。
膝、特に半月板にできた場合は、多くの人が強い痛みなどの症状を訴えます。
足にできた場合は、歩くことが困難になることも稀にあるようです。
また、ガングリオンができた場所が悪いと、運動麻痺を起こすこともあります。
特に顔にできてしまった場合には外見が気になりますし、しびれなどの症状が出てつらく感じることもあるようです。
ガングリオンの検査方法と治療!病院は何科・手術・後遺症の心配は?
ガングリオンのできやすい体の部位は?
ガングリオンは、主に 関節の近辺にできるといわれているのは確かです。
しかし、全身の至る所に関節は存在しますので、身体の様々な場所にできることも知られています。
最近よく耳にすることの多いガングリオンの好発部位は、 頭部、胴体、手足の関節です。
頭部の場合は首が一番多く、その他後頭部にできたり、珍しいケースとして耳の裏側や耳たぶなどもできることがあります。
胴体の場合は、背中や肩(鎖骨)にできることがほとんどです。
ただし、 股関節にガングリオンができたという、非常に珍しい症例も報告されています。
手の場合は、手関節背側(甲側)、肘や手首が多いですが、手のひら、指関節、指の付け根にもできることも決して珍しいことではありません。
足の場合は、膝、半月板、かかと、くるぶしなどの足首の周りが多く、他には足の甲や足の指にもできることがあります。
さらに、骨や筋肉、神経にできることもあるため、厄介な症状で悩んでいる人も多いです。
好発部位だけでもこれだけあり、他の部位にできないわけではありませんので、身体中にできる可能性があると考えておく方が自然だと思います。
なかには、腱にできたり、関節の奥の方にできたりする場合もあります。
この場合は外からは見えませんが、なんとなく患部に痛みや違和感がずっと残っているような感じあり、つらい思いをしている人も多いといわれています。
そこで、 MRIや超音波で検査してみると、ガングリオンだったと初めて知る人も多くなっています。
ガングリオンができてしまうこと自体は、さほど心配する必要はありません。
しかし、この得たいの知れない腫瘤によって引き起こされる症状には深刻なものがある場合があります。
神経などを圧迫している可能性がないとはいえませんので、気になる方は我慢せずに病院に行き、早期に発見しておくことだけでも大きな意味があるでしょう。
次回テーマに取り上げる際は、手術などを含めた主な治療法についてご紹介したいと思います。
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