緑黄色野菜の ほうれん草は、β‐カロテンや鉄分をはじめ栄養価が高くて健康によいというイメージがありますよね。
中年くらいの方になると、アニメの中でダメージを受けたポパイが缶詰のほうれん草を食べて、急激に強くなるシーンを思い浮かべる人も多いかもしれません。
とはいえ、「いくら食べても大丈夫!」という訳にもいきません。
適量を食べれば問題ありませんが、どんなに体によくても食べ過ぎると思わぬ悪影響が現れることもあります。
もともとアクの強い野菜だけに注意すべきこともあるようです。
そこで・・・ほうれん草の食べ過ぎによる体への弊害についてご説明します!
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目次
ほうれん草の食べ過ぎは下痢を起こしやすい?
ほうれん草には、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンをはじめ、葉酸、ビタミンC、鉄分、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。
一見、すごく体に良さそうなイメージが強いのですが、実は体によくない成分も含まれています。
それは「シュウ酸」という成分で、これが独特のえぐみの元となっています。
シュウ酸は体の中でカルシウムと結合し、「シュウ酸カルシウム」という成分に変化します。
ほうれん草を食べ過ぎると、これが胃腸に悪影響を及ぼし 腹痛や下痢を起こしてしまうことがあります。
シュウ酸は水溶性なので、下茹でをしたり、水にさらしたりすればほとんどなくなりますので、無闇に心配をすることはありません。
ただし、食物繊維も豊富な野菜ということもあり、茹でたものでも食べ過ぎると下痢を起こす可能性が高いのです。
これは実際に多くの人が体験していることですので、かなり信憑性の高い話です。
ほうれん草の食べ過ぎは体内で結石を作りやすい?
シュウ酸カルシウムは、最悪の場合、尿路結石の原因となります。
尿路とは、腎臓から尿道までの「尿が通る道」を意味しますので、体の上部から「腎臓結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」などの原因になり得るということです。
他にもリン酸カルシウムという物質が関与している場合もありますが、ほうれん草の食べ過ぎによって体内で作られるシュウ酸カルシウムは、非常にリスクの高い物質といってよいでしょう。
いわゆる 「人体の三大激痛」には様々な症状が入ることがありますが、尿路結石は必ずといってよい程候補に挙がっています。
特に尿管と尿道は細い管状になっていますので、そこに結石が入り込むと激痛に襲われ、血尿などが排出されることも珍しくありません。
一度でも経験したことのある人であれば、納得できるかもしれませんね。
他にも、シュウ酸はチョコレートや紅茶、タケノコなどにも含まれています。
ただし、特にほうれん草の含有量が多いため、食べ過ぎに注意するとともに、しっかりアク抜きしてから食べるようにしましょう。
ちなみに、山芋にも含まれているシュウ酸カルシウムは、非常に細い 針状結晶を作ることがあり、これが皮膚細胞に刺さることによって、手や唇に痒みをもたらすこともあります。
ほうれん草の食べ過ぎによる死亡例も!
60年代のドイツにおいて、ベビーフードのほうれん草を食べた乳幼児が多数死亡したという事例がありました。
ただし、これはほうれん草の食べ過ぎや、シュウ酸とはまた別の話です。
調理済みのほうれん草を常温で数日保存し、その中の硝酸塩が「亜硝酸塩」という有毒物質に変わってしまったということが原因ではないかといわれています。
常温で48時間保管した調理済みのほうれん草に、0.4gの亜硝酸塩が含まれていたという実験結果もあります。
大人なら問題がなくても、乳幼児が死に至るには十分な量だったようです。
一応、死亡例があるということは覚えておいて損はないと思います。
ほうれん草の1日の許容摂取量は?
ほうれん草の1日の許容摂取量は1kgとされています。
大体5束ほどもありますし、しかも、アク抜きせずに生で食べた場合です。
アク抜きせずに1日1kgも食べるというのは、あまり現実的な量ではありませんので、過剰に心配する必要はありません。
しかも、「サラダほうれん草」など生で食べられるものは含まれていません。
とはいえ、1つのものを食べ過ぎると栄養が偏ってしまうことは確かですし、思わぬ別の弊害が出ても不思議ではありませんので、バランスよく食べるようにしてくださいね。
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