春になると カツオの美味しい季節になりますね。
刺身やタタキなど、晩酌の肴には最高です。
そんなカツオには「初鰹」と「戻り鰹」と呼ばれるものがありますが、この2つの違いはご存じでしょうか?
聞いたことはあっても、なかなか上手く説明できないという人も多いかもしれませんね。
そこで、初鰹と戻り鰹の違いやその特徴、旬の時期などについてご説明します!
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目次
初鰹と戻り鰹の違いは?
カツオという魚は、もともと 熱帯から温帯の地域を大きな群を作りながら泳いでいます。
例えば、太平洋、大西洋、インド洋などの中でも温かい海域に生息する魚です。
春になるとこのカツオたちが黒潮(日本海流)に乗って日本近海にやってきます。
エサとなるイワシなどが食べるプランクトンが黒潮に多いためで、その後もエサを求めてどんどん北上していきます。
2月には九州に達し、その後、高知沖や紀州沖を経て、4月には伊豆や房総沖へと移動します。
この時に水揚げされるカツオを初鰹と呼んでおり、「初=その年初めて水揚げされる」という意味が含まれています。
さらに7~8月あたりになると、宮城県の三陸沖や北海道沖まで北上します。
しかし、9月頃になると今度は 親潮(千島海流)が強くなるため、カツオはUターンして南下してきます。
このカツオのことを戻り鰹と呼んでおり、初鰹との時期や特徴の違いにより区別されています。
もともと温帯や熱帯の海を泳ぐため、それ以上北上することはありません。
よく味の違いという話が出ますが、脂の乗りがかなり異なっています。
初鰹はさっぱりと、戻り鰹はこってりとしているのですが、詳しい違いは次にご紹介します。
初鰹の特徴と旬の時期は?
初鰹の旬の時期ですが、日本では九州方面から 北上してくるため各地域の港によって違ってきます。
それぞれ、九州や四国では2~4月頃、伊豆や房総沖では4~6月頃、三陸沖や北海道沖では6~9月頃が目安となります。
郷土料理として有名な高知県では、初鰹の旬は5~6月とされています。
ちなみに、初鰹は初夏の季語に当たります。
身の特徴としては、エサをまだ十分に食べていないため、脂身が少なく身が引き締まっており、戻り鰹とは違いサッパリとした味わいが魅力です。
同じ初鰹でも、早い時期に水揚げされるものが美味しいともいわれており、宮崎や高知のカツオが有名なのもこのためですね。
また、貧血予防に効果のあるイノシン酸、動脈硬化を防ぐDHA、疲労軽減効果のあるアンセリンなど、たくさんの栄養が含まれています。
脂身が少ない分カロリーも低く、100g当たり 115kcal程となっています。
戻り鰹の特徴と旬の時期は?
戻り鰹の場合も、各港によって旬の時期に違いがあります。
三陸沖や北海道沖では9月頃、高知沖まで戻ってくるのは10~11月頃となっています。
ちなみに、戻り鰹も秋の季語ですが、 「秋鰹」として使われています。
味については、たっぷりとエサを食べたものが脂の乗りがよいため、やはり高知県で水揚げされたものが有名になっています。
脂肪含有量は初鰹の10倍以上にもなりますので、トロ鰹とも呼ばれており濃厚な味わいが魅力です。
カロリーの方も100gあたり165kcal程ですので、随分初鰹とは違いがあります。
ただし、注意したい点として、カツオは回遊魚といって海の中を泳ぎ回る魚なので、程よく身は締まっています。
また、カツオの脂肪分は良質なのでダイエットにも効果的という話もあります。
その他、回遊魚ということもあり、筋肉に酸素を豊富に送る必要があるため、カツオにはミオグロビンという臭みの元となる成分が含まれています。
戻り鰹は、わらで炙ってタタキにするのが美味しいとされるのはそのためです。
いかがでしたか?
最近ではカツオは1年中食べられるようになりましたが、一番美味しい旬の時期に食べたいですね。
サッパリとしたカツオが食べたい方は初鰹、脂の乗った濃厚なカツオが食べたい方は戻り鰹がよいでしょう。
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