土用の丑の日といえば、鰻を食べるというのが習慣になっていますよね。
ただ、「なぜ鰻を食べるのか」という由来を知っている人は、意外と少ないかもしれません。
一説によると、「う」のつくものを食べると夏バテ防止になるといわれていますが、本当でしょうか…。
また、この日に「しじみ」を食べる風習があることも、あまり知られていないようです。
そこで・・・夏の土用の丑の日に鰻やしじみを食べる由来を中心にご紹介します!
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目次
土用の丑の日の日に鰻を食べる由来とは?
土用の丑の日には、誰もが鰻を食べる習慣があることをご存知だと思います。
しかし、そもそも土用の丑の日とは、どのような日を意味しているのでしょうか…。
土用というのは「立春」「立夏」「立秋」「立冬」から遡ること18日間のことを指しています。
ですから、夏の土用となると立秋(8月7日頃)の前の18日間ということになり、その間に訪れる十二支の「丑の日」に鰻を食べる習慣があるのです。
18日間で12の干支が周っていることになりますので、夏の土用だけでも1年に2回巡って来ることもあります。
鰻を食べる習慣があるのは、立秋の前の「夏の土用の丑の日」だけですが、この習慣が根付いた由来には諸説あるようです。
多くの人は、夏本番に向けてスタミナをつけるために鰻を食べると思っていますが、これも間違いではありません。
発祥の由来となった出来事として有力視されているのは、江戸時代に平賀源内が提案したという説です。
夏に鰻が売れないことを悩んでいた鰻屋さんが、平賀源内にそのことを相談しました。
すると、 「本日丑の日」という貼り紙をすることを提案したといわれており、実際にこの効果によって鰻が飛ぶように売れたようです。
ただしこの背景には、丑の日に「う」のつく食べ物を食べると夏バテせずに過ごすことができる、という説があったからだといわれています。
この背景となった「うのつく食べ物」という説の由来は、どこから来ているのかわかっていません。
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夏の土用の頃に「う」のつくものといえば?
もともと夏の土用の丑の日には、鰻だけでなく「う」のつくものを食べるとよいとされていた日でした。
今では「うのつくもの=鰻」という発想が当たり前ですが、当時の庶民にとって鰻を食べることはなかなかできませんでした。
代わりに食べられていたうのつくものとしては、うどん、梅干し、瓜科の植物などが定番だったようです。
その由来はわかっていませんが、これらを食べると夏バテしないといわれていたのです。
その後、 牛や馬、ウサギの肉を食べる習慣も生まれたそうですが、現在ではほとんど耳にすることもなくなっています。
ちなみに、栄養価が高い食品が増えている現代では、鰻を食べたからといって夏バテ防止の効果があるとの見解は、根拠のないものと考えられているのが主流です。
土用の丑の日にしじみを食べる習慣もある?
土用の丑の日には、鰻と一緒にしじみ汁を食べるという人もいます。
なぜ、うがつくものではないのにしじみを食べる習慣があるのでしょうか…。
夏の土用の丑の日に食べるのは夏が旬の夏しじみとされ、「土用しじみ」と呼ばれることもあります。
しじみは、胃腸の健康を保つ食材と考えられていて、季節の変わり目であり、胃腸を壊しやすい土用の頃に食べると体によいと考えられています。
鰻の肝吸いの代わりに食べてみるのもよいですね。
土用の丑の日に食べる鰻やしじみの夏バテ防止効果は?
前述した通り、鰻を食べることにより夏バテ防止の効果があるというのは、医学的根拠に乏しいと考えられています。
鰻にはビタミンA、B1、D、Eなどが豊富に含まれており、さらにDHAやEPA、鉄、亜鉛なども豊富に含まれています。
特にビタミンB1には疲労回復などに高い効果があります。
鰻の焼ける香ばしい香りは、夏の暑さで疲れている時には食欲をそそりますね。
したがって、全く夏バテ防止効果がないというわけではなく、他の食材でも十分夏バテを防止することはできると考えられているようです。
鰻は本来冬が旬ですので、栄養や美味しさの面でも旬のものには敵わないという側面もあります。
また、旬の夏しじみには胃腸の調子を整える働きがあるので、夏バテ防止に優れており、季節の変わり目の体調不良に効果的とされています。
健胃効果が高いだけに、食欲不振の時に食べると自ずと食欲も湧いて来るようです。
いずれにしても鰻は今でも高級品ですし、残念ながらその漁獲高は減って来ています。
お値段的にも少し高くなっていますが、土用の丑の日くらいは縁起物として食べておきたいですね。
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