洋服などの素材には、ウールやシルクのような天然繊維の他に、人工的に作られた化学繊維があります。
その中でも「三大合成繊維」と呼ばれているのが、「ナイロン」「アクリル」「ポリエステル」です。
いずれも耳にすることが多い素材ですが、どんな違いがあるのかご存知ですか?
それぞれに特徴があるため、覚えておくと洋服を選ぶ際に役立つかもしれませんね。
そこで・・・ナイロン・アクリル・ポリエステルの違いについてご説明します。
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目次
ナイロンとは?
ナイロンは、1935年にアメリカのデュポン社で発明された繊維です。
数ある合成繊維の中でも、最も早く工業化されています。
当時は石炭を原料としていて「蜘蛛の糸よりも細く、鋼鉄よりも強い」というキャッチフレーズでした。
そのキャッチフレーズの通り、摩擦や折り曲げに対して強く、弾力性があり、しわになりにくい特徴があります。
また、薬品や油、虫やカビの害にも強いです。
ただし、ナイロンの弱点として、紫外線の影響を受けやすいというデメリットもあります。
伸縮性には優れていることから、ストレッチ性の必要なものによく使われます。
ストッキングや水着、スキーウェアなどですね。
他にも、カーペットやロープなど幅広く活用されています。
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アクリルとは?
アクリルはふんわりとしていて、合成繊維の中では一番ウールに近いという特徴があります。
ただし、吸水性はほとんどなく、ナイロンやポリエステルとも手触りが違いますね。
柔らかさに定評があるため、ウールだけでなく、カシミヤ風のものまで作ることができます。
したがって、ニット製品によく利用される傾向もあります。
また、カビや虫の害もほとんどありませんので、衣服に限らず、ぬいぐるみなどに使用されることも珍しくありません。
こうして見ると、ナイロンとは特徴も使用用途も大きく異なっています。
特に、アクリルは保温性に優れており、ふっくらとして暖かいのが特徴です。
ただし、ニット製品は伸びやすいというデメリットもあります。
また、毛玉や静電気も起こりやすく、ほこりを引き寄せるので汚れやすいのも難点といえるでしょう。
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ポリエステルとは?
1950年代にアメリカのデュポン社とイギリスのICI社によってそれぞれ開発された、 石油を原料とする合成繊維です。
日本では、あの有名な「東レ」と「帝人」が製法ライセンスを受けて国産化しました。
現在、世界的に最も多い合成繊維といわれており、ナイロンに比べるとコストも安いので多く出回っているようです。
フリースや学生服、その他、洋服の裏地に使われることも多いです。
しわになりにくく、アイロン掛けが要らないというメリットがあります。
ナイロンと違い、紫外線による劣化もほとんどありません。
ただし、ポリエステルは静電気を帯びやすく、 帯電防止加工が必要です。
さらに、毛玉ができやすいというデメリットもあります。
合成繊維を総合的に見ると、天然繊維より優れている点も多く、比較的安価なことはメリットといえそうです。
動物性繊維に比べると熱に影響を受けやすいため、アイロン掛けする際は当て布が必要ですね。
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