秋になると、生の 栗が旬を迎えます。
栗ご飯、甘露煮、渋皮煮など、栗を使った美味しい料理が食べたくなりますね。
栗は日本が原産といわれていますが、実は種類がとても多く中国やアメリカが原産の品種もあります。
確かに、中華街では甘栗が盛んに販売されていますし、欧米でもマロングラッセやモンブランをはじめとするスイーツが人気ですよね。
そこで、栗の種類について、世界や日本での数や品種ごとの特徴などを紹介します。
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目次
栗の種類・世界と日本にどれくらいある?
世界で栽培される栗を大きく分類すると、 日本栗、アメリカ栗、中国栗、西洋栗の4種類です。
ここからさらに品種を細かく分けると、世界中では百種類以上にもなるといわれています。
日本で栽培が確認されているのは40種ほどで、そのほとんどは日本栗です。
日本栗は、他の国が原産のものと比べると、渋皮が硬く、実が大粒、実が黄色、水分が多いといった特徴があります。
野生の芝栗を品種改良したものが、今流通しているほとんどの品種の元になっています。
粘りが強いので茹でて調理することに向いており、味も濃いので栗ご飯などにして美味しく食べることができます。
天津甘栗に代表される 中国栗は、皮が剥きやすいので焼き栗に向いている品種です。
果実は小さめで、甘めの味が特徴です。
マロングラッセなどに利用されるのは西洋栗で、日本栗と中国栗の間のような品種です。
実は中国栗よりやや大きめで、甘みが強く皮が剥きやすいです。
アメリカ栗は果実の品質が高いとされますが、 「栗胴枯れ病」の被害によって今は栽培数が激減しています。
日本栗以外の種類はどれも害虫が付きやすく病気になりやすいため、日本では栽培されていません。
日本で栽培されている栗の中で、最も生産量が多いのは「筑波」という品種です。
その名の通り、 茨城県は栗の産地として有名で、国内生産の4分の1のシェアを担っています。
栗の種類・日本の主な早生種・中生種・晩生種
では、日本で栽培される栗の種類についてご紹介します。
★早生種
・丹沢(たんざわ)
9月上旬~中旬に旬を迎えます。
早生種の代表格の品種で、樹勢が強く育ちがよいため実も大きくたくさん実がなります。
早生種は全体的に品質が良くないとされる中では良品質のものとされています。
北海道と沖縄を除く、各地で生産されています。
・国見(くにみ)
早生種の中でも、特に早く出荷され流通するのが国見です。
丹沢と石鎚という品種を交配させてできたもので、その実は大きめです。
粉っぽい品質のため、甘露煮やペーストなどの加工品に使われることが多い種類の1つです。
★中生種
・筑波(つくば)
日本で最も多く栽培されている栗が、この筑波です。
国内シェアの3割ほどを誇っています。
高品質の栗で、甘みが強く香りもいいです。
実の大きさは20~25g位と中粒で、果皮は赤褐色の光沢があります。
貯蔵性にも優れており、加工品にもよく利用されます。
・銀寄(ぎんよせ)
9月下旬頃から旬を迎える品種で、ブランド栗「丹波栗」の代表品種です。
実は大きく甘みが強いのが特徴です。
・利平(りへい)
9月下旬から収穫される、日本栗と中国栗の交雑種の栗です。
甘みが強く、蒸し栗などに向いていますが、実がもろいのでシロップ漬けなどには向きません。
果皮は光沢があり、大きさは中粒です。
★晩生種
・石鎚(いしづち)
10月上旬頃から旬を迎えます。
「岸根」と「笠原早生」の交配種です。
果皮は光沢がある綺麗な赤褐色で、実の大きさは25g前後と大きめです。
甘みと香りのどちらも良く、煮崩れしにくいので加工品原料としても利用されます。
・岸根(がんね)
山口県美和町が原産で、栗の品種の中でも特に歴史が長いとされています。
10月中旬以降に旬を迎えます。
実が30g前後ととても大きく、甘みが強い種類の1つです。
栗の種類・新品種の「ぽろたん」とは?
2007年に品種登録されたばかりで、最近注目されている品種が 「ぽろたん」です。
「550-40」と「丹沢」を交配させた品種で、9月中旬~下旬に収穫期を迎えます。
日本栗は皮が硬く剥きにくいのが特徴ですが、これを改良して手で剥きやすくしたのが「ぽろたん」です。
加熱前の鬼皮に切れ目を入れておくだけで、加熱後は手で簡単に皮を剥くことができます。
実は30g前後と大きめで、黄色くてホクホクした果肉は甘みも良好です。
栗ご飯などに向いていますが、皮が軟らかいため渋皮煮にはできません。
まだ、流通量が少ない種類といえます。
栗の種類についてご紹介しました。
食べるまでに手間がかかる栗ですが、やはり旬の時期は美味しさも格別です。
好みの品種を見つけてみて下さいね。
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